オカルトスポット探検サークルの学生6人は、10年前、作曲家でヴァイオリニストの加賀螢司が演奏家6人を殺したファイアフライ館に肝試しに来た。嵐の山荘で、第1の殺人が…。飛翔する麻耶ミステリの神髄。記述者が誰なのかわからなくて、最初の方を何度も読み返した。
なんとなく諫早なのかと思ってたら「諫早は~」とか他人のような記述が出てくるじゃないですか。
なんだか誰かわからないままなのが気持ち悪かったんですが、「これはきっと登場人物表に書かれていない人物が記述者だったということがラストでわかってビックリするという類のトリックなんだ」ということにして読み進める。
俺は推理小説を読む時、あれこれ深く考えないでサッと読み(スピードは遅いけど)、素直にラストで騙されたいという読み方をするので、そうしました。
しかし更に深いトリックが仕掛けられているのには驚いたなあ。
けっこう単純な嵐の山荘ものの王道かと思っていたので、ラスト近くの怒涛の展開には驚きの連続でした。
正直途中は退屈に感じましたが、ラストまで読んで評価が変わりました。
蛇足ですが、買おうかどうしようか迷っていたこの作品を買うことにしたきっかけは、登場人物表にずらりと並んだ長崎県と石川県の地名でした。
作品とはなんの関係もありませんが(笑)
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